最近,時々,手塚漫画を読み直すことがある.そのたびに思うのが,とにかく「短い!」ということ.
いい悪いの話ではなくて,とにかく,手塚漫画って短い.後期,「ひだまりの樹」あたりは,わりとだらーんと間延びしている感はあるけれど,それでも,あれ KC サイズの 10 巻くらいでしょ?
「火の鳥」なんて,改めて読み返すと,各編が短すぎてビックリする.本当に短い.頭の中に残っているかつての記憶の 1/5〜1/10 くらいのイメージ.昔,浦沢直樹がアトムの中編を,脳内で勝手に付け足していたストーリーを交える形でリメイクしたりしていたけれど,そんな感覚に近いかもしれない.
それに比べて,今の漫画のなんと長いことか.長いことがすなわち悪いという話ではないんだけれど,「本当にその長さは必要なのかい?」とは思う.あげつらうわけではないけれど,20 年近く連載している少年漫画,というかぼかさず書くけど,ONE PIECE なんて,その長さに意味あるのと言いたくなる(誰が継続して読むのよ,と).
長編を書くより中編,中編を書くより短編を書くのが難しい,とはよく聞く言説だけれど,結局のところ,エッセンスを編集するという能力が現代人から欠落してきているんじゃないのか,と思う.だだらに続くアニメやドラマと,2 時間の映画の対比とか,近似できる気がする.
たぶん,その背景に,記録媒体の変化とか,視聴環境の変化とか,諸々絡んでいるだろうし,これに絡んで(書きながら),いわゆる「日常系」とか「美少女動物園」的なアニメとかに関する論も思いついてしまったのだけれど(長くだらだら書いてもいいという感覚と,永続的に続いて欲しいという感覚の相関とか諸々),どんどん長くなるので,この辺は,いずれどこかに書くかも.
思考のクリップとして,とりあえず,ここに書き散らしておく.
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