2020年3月20日金曜日

ワニ

割と早い段階(2, 3 日目くらい)にリツイートされてきたのをみて,毎日ではないけれど,ポツポツみていた.1日に1日進んでいくスタイルだから楽しめるものでもあると思うので,割と運のいい時期に知ったと思うし,だからこそ,まぁ,楽しめた.

作品自体は「100日後に死ぬ」と「あと◯日」という言葉で括ることで微妙なニュアンスを伝えたり.読者の感情をぶよんとした不安に陥れたりできる,という発明がすごいもので,それがリアルタイムでカウントダウンされるということがすべてなので,途中の日常や最後にある死は(言ってしまえば)タイトル通り以外の何物でもなく,ドラマティックである必要もない.まぁ,普通の突発的な事故死というのが普通であり,だからこそ残酷だったのだろう.

で,まぁ,本題はここではない.

50 日辺りから,急にツイッター外に有名になり,80〜90 日くらいで一般のメディアにも取り上げられるようになり,今日は,あらゆるメディアが「死」の瞬間を待っていたかのようだった.

まぁ,はっきり言ってバカが増えていた.

作者の正確な意図など誰もわからないが,少なくとも,冒頭に書いたように「死は誰にも知られず突然」なのに読者は死ぬことを知っているので不穏な空気を感じ,リアルな時間と同期させることで何とも言えない感情が滲み出る,というのが重要な要素であって,その他は末節だろうと思う(ある日常がある日終わる以外のことはどうでもいい).

最後の10〜20 日くらいは,明らかにこの楽しみ方ができる限界の人数の想定のキャパを超えていたように思う.「死に方」の考察なんかをしている層,斜に構えて「この程度のもの」みたいな見方をすると格好いいと思っているバカ,穿った意見を言っているつもりで見当はずれのバカ,ワニ可哀想勢などなど……,作品をテクストとして楽しめない外野にまで作品が広がったことが,なんか,「これでいいの?」と思った.いや,まぁ,作者は金が儲かるからいいのか.

あと,作者は単行本を出すみたいだからリアルタイム性は捨ててもいいと思っているのかもしれない……が,最初の数日を除いてリアルタイムで読んでいた身としては,リアルタイムだから感じたぶよんとした気持ち悪さは,作品の捨てがたい要素だったと思うよ.(というか,それを意図してなきゃ,そもそも,こういう配信形態にしないはずだから,作者も,それはそれで意図していると思う)

0 件のコメント:

コメントを投稿