2016年3月4日金曜日

個別事例の不毛

どこかには不幸な人がいて,全員が一定の幸福を享受できないことは,ユートピアから遠く,社会全体にとっても不幸であることは,一応,前提として認めよう,という前書きを置いてから.

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特定断面を切り取った個別事例が不幸であったとしても,残念ながら,そのことをもって,社会的・政治的な問題にすることはできないことがわからない人が多いらしい.そして,それは,その特定断面・個別事例の数をたくさん集めたとしても,少なくとも国民の過半数とか集まらない限り,実は,そんなに影響力としては変わらない(し,そんな大規模な不幸はとっくに改善されている).

そういう点で,特定断面の個別事例は不毛.

そういう事例をたくさんあげることに満足する人は,全くもって,政治に参加していないのと一緒で,そもそも,政治というものに対する知識に欠けすぎている.ハッキリ言ってお花畑だ.

とりあえず,そこにある特定断面・個別事例の不幸を政治的な問題にしたいのであれば,(叶うかどうかはともかくとして)取るべき手続きについて学んでから行動を始めましょう.その結果が今の,こんなに幸福な社会なのだから.少なくともそれは,匿名の SNS で,個別事例を叫ぶことでも不幸自慢をすることでもないはずです.

まぁ,なんで,全ての人が絶対幸福に至れないのかわからない人は(そんなお花畑の人が本当にいるのかどうかはともかく),功利主義哲学とか学んでみるといいかな.ベンサムからでいいよ.

社会主義者・共産主義者は,帰って,どうぞ.

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