2016年2月12日金曜日

ふつう

先日,大学兼職場の後輩とタバコ吸いながらくっちゃべっていたことの延長なんだけれど,同世代の人間が,みんな普通に大人や社会人になっていてビビる.

別にいわゆる「普通」という言葉云々の話ではなくて,昔のバカなことやってる時代を知っている人が,目に見える範囲ではバカなことしていないっていうのが,怖い.みんな普通に結婚してるし,みんな普通に仕事してるし,みんな普通に子煩悩になっている(具体例はいくらでもあげられるんだけどこのくらいで).これが,猛烈に怖い.

いや,自分も,普通に結婚しているし,普通(?)に働いているんだけれどさ.

なにしろ,その普通の姿が,まるで自分たちの親世代を見ているかのようだから,本当に恐怖を感じる.だって,みんなの価値観が昔,僕らが見ていた大人そのものなんだもの.それが,とても怖い.みんな「僕ら若者のことなんて『大人はわかってくれない』」って思っていたんじゃなかったの?

「自分はそんな『普通の大人』じゃない」みたいに嘯いている人なんて,もしかすると,みんな自覚もなく「俺(私)は若者の感覚を持っているし,わかってるよ?」っていう,自分たちが若かった頃,一番嫌悪していたクソみたいな大人になっているんだよね.

もちろん,僕自身が,普通に大人になっている(そもそも,僕もすでに 30 をとうに超えている)ことも自覚しているからこそ,漠然とした不安と恐怖に慄いているんだけれど,みんな,この恐怖を感じていないんだろうか?それとも,その恐怖を押し殺して生活しているの?

自由なんてまやかしで,自分を叱ってくれる大人たちからは独立してしまって,もちろん,法律なんて犯すことはできないし,そもそも,生きていかなきゃいけないという現状に身動きが取れないとき,結局,型にはまるのが,結局,一番楽で,その型の中で,ちょっとした模様替えや着替えをすることが自分を個性的に彩る全てになるなんて,もう,絶望しかない.

それを否定するわけでもないし,自ら荒野を歩む気なんてないんだけれど,全部,無かったことにして,例えば,全裸で街の中を駆け抜けるような爽快感を懐かしむくらいは,自分に自由でありたいとは思う(比喩であって性的指向の話ではないよ!).

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