2015年1月26日月曜日

ちーちゃんの存在

本編補足.

「ちーちゃんはちょっと足りない」のちーちゃんの存在とはなんなのか,というところ.

一義的には,本来,全く交わらないナツとその他の世界をつなぐキーであって,ナツがどういう人間なのかは,ちーちゃんの存在を通してしか物語に関わらないので,ちーちゃんと読者以外には誰にも分からない(ちーちゃんの存在意義がマクガフィンであるともいえる).そして,ナツの存在を物語の世界から疏外するための,読者とナツだけを作品から切り取るための道具のようなものでもある.

話自体も,「ちょっと足りない」のは,ナツなので(ちーちゃんはだいぶ足りない),結局,タイトルそのものが悪意のようなものだと思うのでした.

まぁ,ちーちゃんが,世界と繋がっている限りは,未来にどういう苦い経験を経るか,という点を置いておけば,バカなナツにとっても世界との繋がりは放棄されていないわけで,ちーちゃんがエルピスのようなものであると解釈すれば,あのラストはパンドラの箱の底に最後に残ったもののような寓話にもなりうる(この寓話の色んな解釈コミで).

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