2015年6月29日月曜日

もやもやする

最近,各地で火山活動が活発になっていることで(注),火山活動や火山学に注目が集まっている.そんななか,ニュースなどでよく聞かれる言説に「火山観測に従事できる火山学者が少ない」というものがある.

確かに,複数のプレート収束域に位置し,火山大国である日本としては,明らかに,火山観測網は不十分だし,火山観測に従事できる火山学者は少ないと言える(かといって,他の火山国がもっと充実しているというわけでもない).しかし,偽らざる実感から語るなら,その他の人的被害を伴うような地質災害と比較した場合,火山学関連は,人的・質的には,ものすごく充実していると断言できる.

そもそも,地質に関連した人間が極端に少ないことが問題だ.そもそもの母数が少ないから,各個の事象に対応できる人員も少なくなる.地質学徒の少なさは,歴史的に日本が資源弱小国であったことに由来すると言われている(本当かどうかは知らない).しかし,日本が地質災害の宝庫であることを鑑みれば,もう少し,この分野が発展していても良さそうなものなのだが,「災害に対応する」というネガティブな印象は学問人口には直結しないようで,それが,歴史的に積み重ねられてしまった現在では,もう,どうしようもないのかもしれない.

(注)火山活動の活発さをこんな短期間で判別できるはずもないので,あくまで,一般論・巷間の戯言として.

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