2015年6月3日水曜日

机の下

「地震のときには机の下に隠れろという常識を疑おう」といった内容の記事を最近よく見かける.記事を読むと,家屋倒壊の際に生存率が高いと言われている「三角スポット(ベッドの脇など)」と呼ばれるゾーンの解説(これ自体は間違っていない)なんだけれど,それと同時に「机の下に潜る」という行動が間違っているかのような誘導がなされていることが多く,それがとても気になる.

「机の下に潜る」という行動の目的は,落下物から身を守ることにある.地震の際に,家屋が倒壊して屋根が落ちてくる確率と落下物が降ってくる確率のどちらが高いかと考えれば,どういう行動をとるべきかは明らかだろう.そもそも,ある程度以上に丈夫な机の下は,当然,「三角スポット」でもある.

地震のとき,「三角スポット」だからといって,頭上がガラ空きのソファーやベッドの脇に身を縮こめていたら,上から降ってきたものに当たって頭に怪我をしました,なんてことになったら,笑い話にもならない.

「三角スポット」に関する知識を持っておくことは,もしもの大地震のときの生存率を上げてくれるという意味で,非常に重要だけれど,とりあえず「机の下に潜る」という行動をとれることの方が,ずっと大事なのだ.

あと,東北地方太平洋沖地震を仙台で体験した人間としていわせてもらうけれど,地震の最中で「三角スポット」云々なんて考えて行動できるような精神的・身体的(揺れ的な意味で)余裕なんて,絶対ないと断言できる.そもそも,まともに立っていることもできないから,危険の少なそうなところまで這っていってうずくまるのが関の山です.あとはもう運だね.

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