日本で春画展が開催されるために奮闘した人の記事を読んだ.春画展が開催されること自体はいいことだと思うけれど,それに対する,態度に違和感が拭えない.
まぁ,学術的に意義があるとかそういう話題はわかるし,多くの博物館が見えないクレーマーを怖がっているという論調そのものは理解できる話なんだけれど,いま,春画が芸術や学問の俎上で重要なテーマになっているという事実を強調しすぎて,当時の春画が,猥褻で猥雑な,いかにも生臭く,人間臭い,エロ・グロ・ナンセンスの文化そのものであったという事実を無視するのは如何なものかと思う.性というものに直結した,猥褻で猥雑で下衆な流行りものだからこそ,それを町人文化論として研究する価値があるのに,みんなが猥褻で猥雑で下衆だったことを,みんながやっていることだったからそれは下衆ではなかったみたいな言い換えをしたような言い方が気持ちが悪い.
談志じゃねーけど,「人間の業の肯定」って考え方の欠落した理想主義みたいなものは,本当に大嫌い.
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